和歌山の料亭
4月の旬の味覚のテーマは、和歌山県に行くため桜鯛にしました。
桜鯛というのは桜の咲くころに鯛が産卵前の状態となるため、うっすらと身がピンク色になるのでそう呼ばれています。
和歌山県の観光用のHPを見てもらえればわかりますが、そのページに4・5月の旬の味覚の1つは桜鯛と紹介されています。

普通、鯛というと明石の鯛がよく知られていますが、和歌山、詳しくは加太でも美味しい鯛が獲れるというので和歌山で食べてみることにしました。
まずお店選びですが加太に加太の鯛尽くしで有名なお店があり、そのお店に行こうかと最初は思いましたが、和歌山城の夜桜が見たいため、和歌山城にすぐ近い歴史のある料亭に鯛尽くしをお願いしました。
お願いするにあたって予約の時に問題が生じましたが、なんとか予約を受けてくれまして無事食べることができました。
予約の時にリクエストしたのは

小さな鯛でかまわないので姿造りと鯛めし、あら炊きを食べたいということです

姿造りとあら炊きは叶いませんでしたが、鯛めしは切り身ではなくて1匹の鯛を使って作ってもらい感激しました。1匹ですから骨を取り除くのが大変なのですが、仲居さんは黙々としてくれて感謝しました。
1人で土鍋に炊かれた鯛めしをお腹一杯まで食べるぞと思いましたが、残念ながら閉店の時間となり、残りは翌日の朝ご飯になりました。

さてその他に食べた料理を書きますと

桜鯛を使ってどんな料理がでてくるかと思ったら、なんとまずは鯛の各部位を使って八寸のように仕上げている料理に驚きました。
見た目どおりどれも手間暇がかかっていて、食べるのがほんと惜しくてずっと観賞していて、最後の最後になってようやく食べました。
中でも左の桜の花びらを模ったものの隣にあるものの細工は凄いですね。
外側の黒いものはひじきです。ひじきを1本、1本、鯛のすり身の外側に並べてあり、中央には人参とごぼうを四角に切ったものを置いて丸めてあります。
そのほかにこのお皿に盛られているのは、鯛のひれのから揚げ、鯛の胃袋の酢味噌え、てっさの感覚で鯛の切り身にねぎを挟んだもの、鯛の肝の山椒焼き、鯛の子と珍味揃いです。
どれもお酒をちびちびと飲むのに最適でしたが、鯛の肝の山椒焼きのまったりとコクのある味わいがよかったですね。


そのほか鯛料理は、

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○鯛の昆布じめ

鯛のねっとりと強い甘味と鯛の風味を損なうことない加減にしてある昆布の香り、余韻に残るパプリカの甘味と1番初めに食べた料理でしたが、春らしく菜の花を組み合わせてあり工夫された料理に今後の料理がほんと楽しみになりました。
そしてこの桜の花びらが描かれているピンクの器もまた春らしさがありいいですね。

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○鯛の肝と皮と鯛のうす造り
なんかてっさを思わせるような盛り付けですが、鯛の肝をまた食べれたのが特に嬉しかったですね。なかなか鯛の肝ってお魚屋さんに行ってもないのでは?
もちろんこれが1番シンプルなので桜鯛の甘さというのはこういう甘みをいうのでしょうか。

○山椒味噌、梅、塩焼きと三種類の味付けによる鯛の焼き物、

1度に3種類の味付けで鯛の焼き物を味わえるなんてこれまた贅沢な気分にさせてくれました。
塩焼きでも甘味が美味しいのに和歌山らしい気梅の爽やかな風味と甘味、そして春らしい山椒を使い、これまた風味豊かに仕上げていて絶品です。

○鯛と雲丹と梅のかぶら蒸し、

組み合わせの妙に驚きましたね。雲丹で鯛の甘味を相乗効果でても甘くなっているところを梅の爽やかさで丁度いい塩梅になっています

○鯛しゃぶ

昆布出しの汁の中に鯛の身をほんの少し泳がせてでさっぱりと。もちろん湯に通すので身が締まり、甘みだけでなく弾力も楽しめるようになっていました。

○鯛寿司

鯛の切り身をかぶら包んであるお寿司でした。笹寿司にするところをかぶらにしているそうです。

○鯛ソーメン
鯛のすり身などまとめて細く長く麺の形に押し出していると思われるものを、さっぱりとした出汁
で。これも手間暇がかかっているのがすぐわかります。

○鯛の若竹煮

鯛の昆布じめ同様に春らしい組み合わせの筍と一緒に煮てあり、鯛のかぶら蒸しの時のように甘みを特に楽しむ料理となっています。

鯛をこんなにも多種多様の方法で美味しく食べることができて心から満足しました。
手間暇をどれも感じる、これだけの種類を鯛料理を用意してくれたお店の方にほんと感謝しています。
産卵の前には脂が乗るので甘みが強くなるようですが、ほんと甘みが強かったと思い、これが桜鯛の甘みかというのがわかったような気がします。まだ1回目なので断定にはしません。
それから鯛を春を感じさせる食材を組み合わせ、器、盛り付けでも春という季節をアピールしていまししたがこれは季節感を大事にする日本料理ゆえにでしょうね。
このお店の料理の完成度は、京都の料亭になんらひけをとらないと思います。
できることなら今度は鱧とクエの頃とか違う時期に行ってみて、お店の実力の高さを再認識できたらと思っています。
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by cuisinejaponaise | 2007-04-25 10:45 | 和歌山の食文化、風土
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