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カテゴリ:三重の食文化、風土( 1 )
三重の食文化(概論)
三重の食文化

地図でみる三重県の輪郭は、翼を広げて飛んでいる鳥のようだと言われています。南北に長く、そして、突き出した志摩半島が、確かに頭部とくちばしのようにも見えます。北西には養老山地、鈴鹿山脈、布引山地などが連なり、伊勢湾に面して伊勢平野が広がっています。南部は、紀伊山地が東西に伸び、平地は少ないです。
気候は、伊勢平野は温暖で、伊賀盆地では寒暑の差が大きい内陸型を示し、熊野灘に面した地方は、温暖多雨となっています。

三重県では、都市近郊から山間部に近いところまで、それぞれの地域にあったバラエティーにとむ農産物がみられ、森林が多いところから、キノコなどの山林物も豊富で、また水産業も長い海岸線に恵まれて、活発となっています。
伊勢平野、伊賀盆地を中心に作られているコメは、良質米として評価が高く、特に一志米の名が知られています。
県の中北部にある久居市は、幸水、長十郎を主にした梨園が多いところで、キャベツの産地でもあります。
櫛田川中流域では、伊勢芋の栽培が盛んです。かつてこのあたりは、松阪木綿の産地でした。伊勢芋は、ヤマノイモ科のツクネイモの一種ですが、多気町が原産地と言われていて、江戸時代からの栽培の歴史があります。ゴツゴツ凹凸のある形をしていますが、すりおろすと白さが変わらなく、粘り気が強いのが特徴です。高級料理、高級和菓子のなどの材料として使われています。
宮下川流域の度会郡小俣町は、トマトや大根作りが盛んなところです。大根は有名な伊勢たくあんとして、京阪地方へ出荷されています。伊勢たくあんは、明治の初め頃、農家の副業として作られたようですが、このあたりの吹き渡る風が、ちょうどよく大根を乾燥させると言われています。
もともとは滋賀県の特産野菜である日野菜は、三重県では伊賀地方、鈴鹿市などの気候や土質にあい、漬物用として多く栽培されています。
県内各地で柑橘類の栽培が行われていますが、「一年中、みかんの絶えるときがない」と三重県の人たちの自慢のひとつにもなっているのが、和歌山県に近い南牟婁郡の御浜町のミカン園です。
ここではまず春のポンカンに始まって、伊予カン、ネーブル、甘夏ミカン、サマーフレッシュ、温州ミカンまで次々に実っていきます。
三重県が茶どころであることは、意外に知られていません。四日市市、鈴鹿市から南伊勢地域にかけて栽培されている茶は、伊勢茶と呼ばれ、静岡、鹿児島につぐ全国で3番めの生産量を誇っています。
森林面積の広い三重県では、シメジ、シイタケなどキノコ類の生産がさかんで、ヒラタケはかつては全国一でしたが、今は減産傾向となっています。
また山間部では、スギで有名な多気郡宮川村のように、大杉渓谷のフキをはじめ、山菜類を佃煮にしたものを、地域の特産物にして好評を得ています。

畜産業は、海外でも知られている松阪牛、伊賀牛などの肉用牛を初め、乳用牛、豚、鶏の飼育が行われています。
三重県の海岸線は長く、しかも変化に富み、わが国でも有数の水産権県になっています。英虞湾や五ヶ所湾を中心とする真珠の養殖はあまりにも有名です。
養殖産業は、海苔、牡蠣が伊勢湾と的矢湾で、ハマチや鯛なども盛んに養殖されています。
沿岸、沖合い、遠洋漁業による漁獲の主なものは、鰯、イカナゴ、鰹、鰤、鮪、鯵、鮑、伊勢海老などです。
三重県は遠洋カツオ一本釣りでは、例年、全国一の漁獲高を挙げています。
志摩半島では、日本一の生産量を誇る海苔佃煮の原料になる青海苔が取れます。
白い作業衣で海にもぐる志摩半島の海女は、4月か9月頃まで、ワカメ、ヒジキなどの海草や、アワビ、サザエなどをとっています。
真珠を生み出すため真珠貝と呼ばれているアコヤガイの貝柱を酒粕に漬けた「真珠漬け」、伊勢神宮へ献上される鮑、その鮑を丸ごと煮つけた「参宮あわび」、桑名市の「時雨蛤」など、三重県の海の幸のみやげものにはぜいたくなものがあります。
お菓子では、「へんば餅」、「赤福餅」、「なが餅」、「かた焼き」、「生姜糖」、「関の戸」などが三重県名物となっていて。江戸時代から作られているものが多いです。

参考文献
「日本の郷土料理」 ぎょうせい
「郷土料理と美味しい旅」 朝日新聞社
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by cuisinejaponaise | 2007-03-29 06:31 | 三重の食文化、風土