山形の郷土料理 その2
だし

初夏から真夏にかけて好まれる料理。ナス1個にキュウリ1本、ネギ、ミョウガ、アオジソの葉、ショウガなどを少々。
いずれも洗ってみじんぎりにし、好みで水にさらします。水にさらした場合は水をきって、みじんぎりしたものを冷蔵庫で冷やします。冷やした後は、醤油を適量かけるだけの簡単な料理です。
小鉢にもって出しますが、ご飯にかけたり、冷むぎや冷奴の薬味にしたりもします。

かゆずし

酒田の郷土料理でかゆ状のなれずしの一種。今では作る人が少ないそうで、ググっても食べれるところを見つけられないのでこれは酒田市の観光課に尋ねるしかなそうですね。

むきそば

そばの実をむいたものがむきそばで、来客向けや精進料理の一品としてよく用いられています。
そばつゆの味とのせる材料によって味の変化を楽しむことが出来ます。
例えば材料に、高野豆腐を細く切ったもの、なめこ、さやえんどう、しょうがの千切り、ゆずの皮など。

もってのほか料理

もってのほかというのは、桃色の美しい色をした菊のことで、黄菊より弾力があり、シャキシャキとした歯ごたえが好まれ、秋から冬の野菜として重宝されています。昔は塩漬け保存しましたが、色が褪せるので、今は茹でて冷凍にして保存します。
調理例としてはくるみ和え、お浸し、酢の物など

六浄(六條)豆腐

月山山麓に伝わる六浄(六條)豆腐は、昔、京の六條で作られたもので、出羽三山へ参る修験僧によってもたらされたと言われています。
今ではもはや京都になく、月山で作られているだけです。仏教でいう六根清浄と六條をかけて六浄の名前で売られています。また削って使うので精進節とも言います。
調理例としては椀種や酢の物などです。

参考文献

「郷土料理とおいしい旅」 朝日出版社
「やまがたの郷土料理」 山形食生活改善推進協議会
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# by cuisinejaponaise | 2007-05-08 19:32 | 山形の食文化、風土
秋田の食文化、風土
秋田の食文化、風土

秋田県は、東の岩手県との県境には険しい奥羽山脈が壁のように立ちふさがり、北には白神山地、南には出羽丘陵と三方が山に囲まれています。
気候は、海岸部では冬は寒さもそれほど厳しくはなく、雪も少ないのですが、内陸部は積雪量が多く、横手や大館盆地は多雪地帯となっています。

「米どころ秋田」という言葉が広く浸透しているとおり稲作は秋田の主産業です。古来、秋田の財政の基本は米の生産のため、少しでも原野に可耕地を見つけては水田に開墾させ、米の増産に励みました。米代川、雄物川、子吉川の河川によって運ばれ堆積した肥沃な土壌、豊富な水、昼夜の寒暖差がイネの生育に最適な条件が重なり、優れた米を生み出してきたのです。
江戸時代の佐竹藩政以来の耕地整理、品種改良が大きく実を結び、主食として良質の秋田米を大量に生産することができるようになりました。
このため雑穀や混ぜ飯が主食であった東北の他県に比べて際立った特徴となっています。
秋田では、独自に新品種を育成し、近年では「あきたこまち」、「たかみのり」が誕生しました。
よく知られている郷土料理の「きりたんぽ鍋」、「だまこ汁」は、美味しい秋田米があってのことで、美味しい秋田米を原料とする雪国情緒豊かな郷土料理が生まれたのは当然のなりゆきと言えるでしょう。


一方、典型的な水稲単作農業のためあまり畑作が発達しませんでした。ひとつには山間地では山菜やキノコ類が容易に取れたからで、また雑穀などを植えれば収穫はできましたが、むしろ水田にすれば米がとれたからです。
それでも少ない自家用の畑には味噌用の大豆が実り、大根が植えられました。秋田では漬物を総称してがっこといいます。大根のなたわりがっこやいぶりがっこなどは、塩蔵山菜とともに冬の大切な食品で、鍋物に添えられてその引き立て役となっています。

その他野菜等で秋田名物といえばトンブリ、ジュンサイ、秋田ふきでしょう。

旧比内町(現在は大館市)が主産地のトンブリは、ホウキグサの実を、ゆで、もんで果皮をのぞいたりしてあと食べるものです。プチプチとしたはざわりが魅力で、畑のキャビアと称されています。

トンブリと同じく独特の歯ごたえが楽しめるのがジュンサイです。秋田県では各地の沼で見ることができますが、主産地は能代市に近い山本郡一帯です。このあたりは、灌漑用として明治末期にため池がたくさん作られました。秋田でのジュンサイの採取量は全国の9割を占めます。

秋田音頭で歌われ、大人の背丈以上に伸びる秋田ふきは、秋田市郊外の仁井田地区だけで栽培されています。主に砂糖漬け、蕗ようかんなどお菓子の材料になります。

秋田県の水産物といえば筆頭にあがるのが秋田人の食生活を大きく特色づけているハタハタで正月の祝い魚とされています。かつて冬に産卵のために男鹿半島付近に大量にやってきました。
しかし乱獲がたたり、漁獲数は激減し、最近では高級魚としてなってしまっています。豊漁が続いていた頃は、値段が安かったので、よきたんぱく源と一般家庭でも箱買いが常識でした。
また県内で消化しきれないほどハタハタが取れた年には大量に安く買い込んで、強い塩で長期間貯蔵の後、発酵させ、その出汁を精製してしょっつるという秋田独自の調味料が生まれるきっかけとなりました。
ハタハタ以外にも獲れる魚はもちろんありますが、県内で消費される程度です。

秋田は全国でも有数の酒どころです。美味しいお米、水がよいこと、酒作りに適した気候と清酒作りの好条件が揃っています。湯沢は、山内杜氏のふるさとで、清酒「福小町」は、300年以上の伝統を持っています。また県内各地で生産されている銘柄は100を越えます。
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# by cuisinejaponaise | 2007-05-03 23:41 | 秋田の食文化、風土
三光院 3月の精進料理
今月も宮中の香りを今に伝える、仏教の料理と宮中の文化がとけあった雅かな精進料理3月28日に頂いてきました。
三光院の山門が見えてきた頃、山門の覆う桜が満開に咲き誇っていたので思わず「うわっ」と声がでました。桜の側には青々と眩しい若葉が輝いていて、長い冬から目覚めて木々が芽吹いていました。
やはり春は冬に蓄えた力が溢れ出す大地の生命力を感じる季節だなぁと思い、撮影のために早く着いて時間があったのでゆっくりと眺める事ができました。
どうして桜ってこんなにも見ていて飽きないんでしょうね。数々美しい花があるのにも関わらずダントツで桜が好きです。
山門をくぐると生い茂る木々のせいか、温度が山門の外よりひんやりと感じる境内を幸せ一杯な気持ちで歩いて精進料理を頂く10月堂へと着きました。
10月堂へ入ると今月はお雛様を飾る季節ですのでピアノの上に置かれたお雛様が飾られていました。
普通お寺では雛人形は飾りませんが、三光院は歴代皇女が入寺する曇華院(別称は竹の御所)の精進料理を受け継いだ尼寺であるため飾ってあります。
4月になれば筍がとれる竹林を正面に眺める事ができる席に座り、精進料理が始るのを今かと楽しみに待ちます。


「本日は三光院へようこそお出でになりました。皆様がお揃いになりましたので精進料理を始めさせて頂きます」と院の方がご挨拶のあとに運ばれてきたのは自家製の最中です。

この自家製最中の皮は京都で作ってもらっているもので、皮には紋所の笹りんどうが型押しされています。
お客様が三光院に到着する時間を見計らって大徳寺納豆を混ぜた餡子をその皮につめてあります。
食べてみると甘すぎないちょうどいい甘さの餡子に塩辛い大徳寺納豆のバランスが絶妙です。

最中の次は抹茶が運ばれてきます。三光院はひとつひとつの料理を運んでくるため最中と抹茶が一緒ではないのです。ひとつひとつ料理を運んでくるためゆっくりと食事を楽しむことができますが、精進料理というのはお盆にどんと各種料理がいろいろと乗っていて、その次は二の膳というようにというのが典型的な配膳の仕方ですが、三光院では精進料理は懐石料理の大本であるというのがわかる配膳の仕方になっています。
そもそも僕が精進料理を食べ始めたのは、懐石料理の大本が精進料理であるため大本をきちんと学びたかったためです。

さて抹茶の銘柄は、島根県の原田茶舗の最高級抹茶である「実生の松」です。最高級というだけあって美味しさが格別です。お茶を点てた人の心のせいもあるんだろうと思いますが。
最中と抹茶で一服して、心が落ち着いた後は食事となります。

食事はお煮しめという各種料理がひとつの皿に盛られた、これが発展したら懐石料理の八寸になるのではと思わせる形式の料理から始ります。

お煮しめとして飾られているのは、

大和芋を砂糖と塩でたいて、こふきいものようにすりつぶしてから、丸めて寿司飯のようにみたてて、わさびをまぜて、海苔でまいてあるもの

砂糖と塩でたいた高野豆腐、

ごぼうをひたひたの水で水がなくなるまで三時間煮た後にすりごまときじょゆで味付けしたもの

色合いの観点から砂糖と塩でたいたかぼちゃを加えて端正に盛り付けてあります。

以上です。
この最初の一皿を頂いていると、各テーブルから聞こえてくるのが「美味しい」という声です。
実は生まれて初めて食べた精進料理がこのお煮しめです。上記に書いたように食べてみようと思ったはいいけど、精進料理のイメージって修行のための食べものだから質素で味気ないもの
ではないような感じを勝手に想像していました。
それが意外なことにひと口食べてみると素材の味が実に生きた味わいにすぐ気がつきます。

ごぼうのとろけるような食感とごまの風味豊か味わい、かぼちゃの素朴な甘み、もちっとしたやまいもの食感、じゅわっと染み出る高野豆腐の味わいとどれも滋味豊かで味わい深いです。
三光院は、日本料理の味の基本である「甘・塩・酸・辛・苦」に加えて精進料理ならでの淡味という味を表現するため、出汁を使わず味付けを極めて簡素にして素材のそのもの味を大事にしています。僕が感動するのはそのためでしょう。

このお煮しめによくあうようにと特注で作らせているお酒があります。それはキンシ正宗というお酒です。
このお酒は、京都の伏見の水を使ったお酒で、料理の味を邪魔せず、引き立てるお酒ということで作ってもらっているそうです。飲んでみたらそのとおりのお酒で料理との相性は抜群です。
水のようにいくらでもするすると飲めてしまいそうなお酒で、これは本当に美味しいお酒でした。

続いて運ばれたのは胡麻豆腐です。本来、3月であればもう温かい季節ですのでそのまま出すのでが、この日は作られている方の事情によりしょうが餡かけという温かい料理になりました。
寒い日にはこの料理は、生姜が体を温めてくれる元になってくれてぴったりな料理となります。
ごま豆腐の胡麻の風味は濃厚に薫るものではなくて、胡麻豆腐をかんだものが喉をとおる時になってゆっくりと後からふんわりと薫る奥ゆかしいもので、たくさんお寺の胡麻豆腐を食べましたが三光院の胡麻豆腐が1番好みです。
胡麻豆腐を作られている方に胡麻のあとから薫る風味のことを聞いたら、そのようにして作ったのは伝統的な精進料理の枠の中で作っているからだそうです。
この胡麻豆腐は手に豆ができるほど胡麻をすってから豆腐にしたものを、食感に気を使い一気に冷やすのではなく自然の流水で時間をかけて冷やしていき仕上げるそうで、一連の工程で三時間以上はかかり、手に血豆ができることもあるそうです。
ところで精進料理に胡麻豆腐は必ずつくものですが、お寺ごとに味がもちろん違ってくるのが食べ比べてみて楽しいです。最近だと杏仁風味の胡麻豆腐の味わいがユニークでよく印象に残っています。

胡麻豆腐の次はこがらし

なすのおでん(田楽のことをおでんと宮中言葉ではいいます)では名前に工夫がないのでなにかいい案がないかと、寂光院の住職さんが見た目が琵琶の形ににている、そういえば寂光院には木枯しという琵琶があるのでその名前がつきました。
白味噌とふりゆずで作ったものを切り口を茄子の綺麗な色合いを保つためにそこの部分だけ油につけず素揚げしたナスに塗っています
運ばれてくると柚の香りが食欲をそそりますね。茄子は挙げてあるので箸で簡単に切れるほど
柔らかくて、油を吸ってこってりとなった茄子とまったりと濃い目の味噌の味わいは三光院で1番ボリュームを感じさせるものとなっています。

うどの酢味噌和え

去年は、セリと切り干し大根のゴマ和えでしたが今年はうどの酢味噌和えでした。春は山菜が豊富に取れるし、筍もあるので精進料理にとっては秋同様に食材が最も豊富な時期になります。
まったりとコクのある酢味噌がお酒にはぴったりですし、うどの風味は春という季節をよく感じさせてくれます。

おすいもの

お吸い物の具は、片栗粉で雛あられぐらいをイメージして作った細石と呼ぶものが入っています。
細石はもちろん雛あられと同じくらいの大きさで作ってありますが、これは手間がかかりそうですようね。真似してみようと思って作って見てもどうしても大きな細石ができてしまいそう。
ところでこがらしの後の上品な味わいのお吸い物は、口の中をさっぱりとさせてくれて、料理の流れというのを感じます。

あわふのおでん

あわふは春先は山椒の実でつくりますが、それ以外の時期は京都の鞍馬から山椒の葉を取り寄せて作っているとのことです。
上にかかっているのは白味噌を伸ばして、そのままだと黄色なので春菊、普段草を加えて緑色に仕上げています
下にしいてある大根はあわふをふかす時にくっつかないようにするためで、そういう工夫のために使った大根を一緒にお椀に乗せています。
もちもちとした食間のあわふが実に美味しいし、山椒味噌の香りも豊かです。

にゃくてん

名前のとおり蒟蒻に薄い衣をつけてあげる天ぷらですが、衣で包むという通常の天ぷらとは違います。食べた時のボリュームを出すために油で揚げているような感じです。
蒟蒻の淡白な味わいを補うために辛し味噌でを塗ってあり、塗ったところは下にしてお皿に盛り付けあります。辛し味噌のおかげでお酒によくあう味わいとなっています。

菜の花のおすもじと豆腐の燻製

おすもじというのは、宮中の言葉でお寿司のことです。この春の季節にぴったりお寿司は、お雛様の季節を意識して作られています。このお寿司がいくらでも食べたくなるほど絶品なんです。
添えてある豆腐の燻製もまたお酒が進む味で、豆腐がまるでチーズのようになったかのようです。ついおかわりしたくなるほど味がいいですね。

一番上コースの最後はすすり茶ですが、これは一度飲んでみるのをほんとお勧めします。
名前のとおり蓋をずらしてすすって飲むのですが、茶葉の甘みがとろりととても濃厚に感じて、僕はデザートワイン感覚で飲んでいます。
初めて飲んだときはこんなにも甘いお茶があるのかと衝撃的でした。是非、未体験の方には同じ感動を味わって欲しいものです。
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# by cuisinejaponaise | 2007-04-28 10:18 | 三光院の精進料理